トランプ米大統領の関税政策が世界の株価を振り回していますね。
関税に90日の猶予を与えたといっても、市場からは数か月数年を見据えた期待値なので、これだけ先行き不透明では年始の水準に戻るには数か月以上の期間が必要になりそうです。
トランプ米大統領の今後の政策に関しては、予想してもどうせ当たりそうにないので、こういう時に我々は何をすべきかを過去の事例から含めて考察したいと思います。
過去の株価暴落の歴史
① 1929年 世界大恐慌(ウォール街大暴落)
- 📅 発生日:1929年10月24日(ブラックサーズデー)
- 🇺🇸 アメリカ・ニューヨーク証券取引所
- 📉 原因:過剰投機・借金による株購入 → バブル崩壊
- 💥 影響:世界中に波及し、長期的な世界不況へ
② 1987年 ブラックマンデー
- 📅 発生日:1987年10月19日(月曜日)
- 📉 ダウ平均が1日で22.6%下落(史上最大の下落率)
- 🤖 原因:プログラム売買の暴走・金利上昇懸念
- 🌍 世界中の市場も同時に大暴落
③ 2000年 ITバブル崩壊
- 📅 発生期間:2000年〜2002年
- 💻 ドットコム企業の過剰評価 → 株価暴落
- 📉 NASDAQはピークから約80%下落
- 💥 多くのIT企業が倒産、投資家が大損
④ 2008年 リーマン・ショック
- 📅 発生日:2008年9月15日(リーマン・ブラザーズ破綻)
- 🏦 原因:サブプライムローンの崩壊
- 📉 世界中の株価が急落、金融危機に発展
- 💥 世界経済の落ち込み、実体経済にも大打撃
⑤ 2020年 コロナショック
- 📅 発生時期:2020年2〜3月
- 😷 原因:新型コロナウイルスの世界的感染拡大
- 📉 ダウ平均は1ヶ月で35%近く下落
- 💥 実体経済の不安・ロックダウンの影響大
株価暴落が元の水準に戻るまでの期間
ショック名 | 発生年 | 主な指数 | 回復までの期間 |
---|---|---|---|
① 世界大恐慌 | 1929年 | ダウ平均 | 約25年(1954年) |
② ブラックマンデー | 1987年 | ダウ平均 | 約2年(1989年) |
③ ITバブル崩壊 | 2000年 | NASDAQ | 約15年(2015年) |
④ リーマンショック | 2008年 | ダウ平均/S&P500 | 約5〜6年(2013〜2014年) |
⑤ コロナショック | 2020年 | S&P500/ダウ平均 | 約半年(2020年8〜9月) |
💡 解説
✅ ① 世界大恐慌(1929)
- 最も時間がかかった例。経済政策の未熟さや世界規模の不況のせいで、ダウ平均は25年もかけて1929年の高値を超えました。
✅ ② ブラックマンデー(1987)
- 短期回復の好例。1日で大暴落したものの、金利引き下げや政策対応が早かったため、意外にも2年以内に回復しました。
✅ ③ ITバブル(2000)
- ハイテク株に集中したバブルだったため、NASDAQの下落率が特に深刻。回復には15年もかかりました。
✅ ④ リーマンショック(2008)
- 世界金融危機だったものの、各国が協調して金融緩和や景気対策を実施。約5〜6年で回復。
✅ ⑤ コロナショック(2020)
- 史上最速級の暴落&回復。FRBのゼロ金利・量的緩和、政府の給付金などにより、わずか半年で株価は戻りました。
簡易的なイメージ図では下記のようになります。

それぞれのチャートは、暴落の始まり → 底 → 回復のタイミングを示しており、縦軸は株価指数(100を基準としたイメージ)です。
では個人投資家はどう行動すべきか
✅ 株価暴落時の心構え
1. パニックにならない
- 感情的な売買は避けるべきです。
- 短期的な下落は、長期的には回復することが多い。
2. 「今売る」がベストとは限らない
- 底値で売ってしまうと、その後の回復の恩恵を受けられなくなる。
- 特に長期投資をしている場合、一時的な暴落は「ノイズ」として考える。
3. リスクは暴落前に管理する
- 暴落時にあわてないために、平時から分散投資・現金比率を調整しておくことが大事。
🔧 具体的な行動アドバイス
行動 | 内容 | 理由 |
---|---|---|
ポートフォリオの見直し | リスクの高い銘柄に偏っていないかチェック | 損失拡大の回避 |
積立投資の継続 | 暴落中もコツコツ買い続ける | 平均購入単価を下げる「ドルコスト平均法」が効く |
チャンス銘柄の仕込み | 優良銘柄が安くなるチャンス | 暴落後の回復で大きなリターンが期待できる |
現金・キャッシュポジションの確認 | 無理のない範囲で投資に回せる余裕を確認 | 安定したメンタルの維持につながる |
情報に踊らされない | SNSやニュースに振り回されない | 過剰反応は判断ミスのもと |
📈 暴落時の成功パターン(例)
- リーマンショック時に安くETFを買い、10年ホールド → 数倍に成長
- コロナショック時に積立NISAを継続 → 数ヶ月で回復し含み益に
❗注意点
- 「暴落時に買う」のは勇気が要ります。無理してタイミングを狙うより、計画的な積立や分散投資のほうが堅実です。
- 生活資金を投資に回さないこと。暴落中にお金が必要になって、安値で売却せざるを得ないのが最悪のパターンです。
まとめ
今回のような一時的な株価暴落は投資をする上では避けて通れません。(もっというと、上記で今回の下げは上で示した過去事例と比べれば、暴落とは呼べないかすり傷です。)
こういう暴落で投資を辞めるか、乗り越えられるかでその後の資産形成の分かれ道になります。
資産形成を望むのであれば、こういった○○ショック時のリスクを当初から想定し、ショック時にも狼狽売りをしないで済むようにリスク資産と無リスク資産のバランスを保つようにしてください。
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